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アメリカ南部の風にふかれて

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アメリカ南部に住んで早20年。日々の生活を写真で綴ります。

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映画「Hidden Figures」

「La la land」の興行成績より上を行くかも…と言う触れ込みの、「Hidden Figures」を見てきました。確かにすごくいい!実話でこんなことがあったなんて、知らなかった。本当に「隠れた人々」のお話です。
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それが、この三人を代表する黒人女性たち。カッコいいんです! 時は60年代初め。ソ連の人工衛星打ち上げや有人宇宙飛行の成功に焦っているアメリカ。その威厳にかけてNASAで有人宇宙船飛行計画を実行しようとしていた時、数十人の若い黒人女性たちが研究所で働いていた。彼らは特別に数学の才能がある女性たちで、当時は「コンピューター」と言うのは、「計算をする人」の意味で、計算は優秀な彼女たちによって下働き的な仕事として成立していたという。その中でも数学力が抜きんでていたキャサリンが、白人男性だけのプロジェクトチームに派遣されて、そこで苦労しながら自分の実力をボスや飛行士にも認めさせていく。時代はキング牧師が公民権運動をしていた頃で、まだバスやトイレが白人と黒人では別々だった。白人チームのビルディングには黒人女性が使えるトイレがなくて、40分かけて資料を手にしたままトイレを往復する彼女の健気な努力。コーヒーだって白人たちが飲んでいるものは飲ませてもらえない。実際は黒人ではなくて「Colored people」だから、私たちもこっち側なんだよね。

私が知っているアメリカは、表向きかもしれないけれど、色んな人種の人が、男性も女性も手を取り合って、国を大きくしてきた理想的な国だけれど、それはまだまだ長い歴史とは言えないんだなと改めて思いました。そして、また白人男性社会に戻そうと言う動きもあるし。

他の女性たちもスゴイの。メアリーは裁判所にかけあって入学権利を獲得して、当時白人の為だった大学に、黒人女性初で入学し、更に航空学の学士を取った初黒人女性。ドロシーはとうとう登場した「コンピューターマシーン」IBMの大きな機械を入れたものの使い切れない白人男性たちを尻目に、独学で使い方を習得し、黒人女性チームを引き連れてコンピューター室の作業を任されるまでになった逞しいリーダー。どの女性も魅力的です。因みに撮影はアトランタのMorehouse大学で主に行われたそうです。そこはほぼ黒人男子の為の大学です。

残念ながら、この映画、日本では上映する予定は今のところないらしい。ケビンコスナー以外、それほど日本でメジャーな俳優さんが出ていないから…って。


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by juneusa | 2017-04-13 07:09 | 映画・ショー

by june